まず書類を整えましょう。争いはその後です
保証金の返還が遅れているとき、特に「次の借主が見つかってから」と家主に言われると、本当に焦ってしまいますよね。でも、ここで焦って動いてしまうのが一番危ないんです。長期戦になる前に、まず法律上の記録をしっかり守りましょう。
チョンセ(전세)やウォルセ(월세)の住居であれば、手元に置いておくべき重要な記録はこちらです。
- 署名済みの賃貸借契約書
- 実際に居住していたことを示す証拠
- 法定の住所記録
- 確定日付(확정일자)または賃貸借申告の記録
- 保証金、家賃、管理費の振り込み明細
- 所有者と登記された権利が確認できる最新の登記簿謄本
- 賃貸借終了、退去、鍵の引き渡し、保証金返還に関するやりとりの記録
すべて書面で残しておくことが大切です。電話での合意があった場合は、その内容を確認する短いメッセージをすぐに送り、記録を残しておきましょう。
賃貸借が終了したとき、家主がすべきこと
Easy Lawの説明によると、住居の賃貸借が終了したとき、家主には保証金を返還する義務があります。また、家主の保証金返還義務と借主の住居明け渡し義務は、同時履行の関係にあります。
つまり、同日に保証金の返還と鍵・占有の引き渡しを行うのが原則です。家主が「次の借主が決まってから払う」と言ってきたとしても、それはあくまで家主側の資金繰りの話であって、法的な記録を手放す理由にはなりません。
住所記録を安易に変えないでください
実は、ここが一番危ないポイントです。Easy Lawによると、優先弁済権を得るには、住居の引き渡しと転入申告という対抗要件を満たしたうえで、賃貸借契約書への確定日付の付与が必要です。
在住外国人の場合、住所記録は出入国管理上の記録を通じて機能します。韓国に90日を超えて滞在する外国人は、入国から90日以内に外国人登録を申請しなければなりません。登録外国人は引っ越し後15日以内に在留地変更届を提出する必要があります。出入国管理法第88条の2では、外国人登録と在留地変更届が住民登録と転入届の代わりになると定められています。
保証金未返還の状況で、保護措置を取らずに住所記録を変えてしまうと、すでに積み上げた優先順位が損なわれる可能性があります。新しい住居に引っ越す前に、賃借権登記命令(임차권등기명령)が必要かどうかを確認しましょう。
身を守るための手段:賃借権登記命令
Easy Lawでは、賃貸借が終了しても保証金が返還されていない場合、借主は裁判所に賃借権登記命令(임차권등기명령)を申請できると説明しています。保証金の一部のみが未返還の場合も対象になります。
この命令のポイントはシンプルです。賃借権登記が完了すれば、すでに取得していた対抗力と優先弁済権は、借主が後から引っ越しても維持されます。Easy Lawはさらに、命令前にすでにこれらの権利を取得していた場合、賃借権登記後に対抗要件を失っても権利は失われないと説明しています。
この申請を軽く考えないでください。申請できるのは、賃貸借が終了していて、かつ保証金が返還されていない場合に限られます。賃貸借契約書、保証金の記録、住所記録、確定日付の証明、物件情報を揃えたうえで、裁判所、弁護士、または法律援助の窓口に、申請に必要な書類一式を確認しましょう。
賃借権登記で解決しないこと
賃借権登記は、保証金を全額保証するものではありません。Easy Lawには重要な注意点が記されています。賃借権登記の前に対抗力や優先弁済権を取得していなかった場合、賃借権登記より前にすでに抵当権などの担保権が登記されていたとしたら、競売の配当でその担保権者を後回しにすることはできません。
平たく言うと、賃借権登記は法的な地位を守る手段ではあっても、物件がすでに過剰に担保に入っているときに、ないお金を作り出すことはできないんです。だからこそ、契約前、賃貸借期間中、そして問題が起きたときに、登記簿謄本を確認することが重要なのです。
実際に動くときの順番
このような流れで対処するのがおすすめです。
- 賃貸借の終了日と未払い金額を確認します。
- 賃貸借契約書、確定日付または賃貸借申告の証明、振り込み明細、住所記録、登記簿謄本を揃えます。
- 賃貸借終了日、未払い金額、振込先口座、支払い希望日を明記した書面による請求書を送ります。
- 賃貸借が終了していて保証金の一部でも未払いであれば、引っ越しや住所変更の届け出の前に、賃借権登記命令について確認しましょう。
- 保護措置を取ったうえで、法律の専門家と相談しながら、調停・支払督促・民事訴訟のどれを使うか決めます。
具体的なスケジュールを決め打ちするのは避けてください。裁判所の日程、書類の送達、家主の対応、先順位債権者の存在、競売での落札額など、さまざまな要因が結果に影響します。
すでに引っ越してしまった場合
諦めなくても大丈夫ですが、自己判断で動くのは禁物です。同じ書類を揃えて、すぐに専門家のアドバイスを求めてください。Easy Lawには、対抗力を失った借主でも一定の状況下では賃借権登記を申請できるとの説明があります。ただし、実際にどれだけ回復できるかは、所有権や権利の状況によって異なります。
大きな保証金が関わっている場合、次の一手として最も安全なのは、登記簿謄本、賃貸借契約書、住所の履歴、支払い記録をもとにした法律の専門家への相談です。ちなみに、韓国での法律支援の窓口を探している方は、Seoulstartの法律ディレクトリをご覧ください。
出典
2026年6月6日参照。
- Easy Law、家主の権利と義務:easylaw.go.kr
- Easy Law、対抗力と確定日付:easylaw.go.kr
- Easy Law、賃借権登記命令:easylaw.go.kr
- 出入国管理法第31条、外国人登録:law.go.kr
- 出入国管理法第36条、在留地変更届:law.go.kr
- 出入国管理法第88条の2:law.go.kr