最初の1か月で押さえたい手続きの順番
韓国に来て最初の1か月は、「理想の家をこの期間内に必ず見つける」という話ではありません。法的・実務的なチェックポイントをひとつずつクリアしていく時期です。連絡がとれる状態を整える、長期滞在なら外国人登録を申請する、賃貸契約の安全確認を準備する、書類が揃ってから署名する、引っ越し後に住所を届け出る。この順番が大切なんです。
多くの方にとってリスクが高いのは、内見そのものではありません。身分証明書の記録、物件の登記情報、契約内容、振込の証跡がすべて整わないうちに高額の保証金を振り込んでしまうことです。
安全な手順はこちらです。
- 一時住所と連絡手段を確保する
- 90日を超えて滞在するなら、外国人登録を申請する
- 賃貸書類の確認方法を学び、物件情報を調べておく
- 内見は情報収集と考え、書類が一致するまで候補確定としない
- 家主の本人確認、登記、建物用途、先順位権利、送金先口座をすべて確認してから署名する
- 入居後、出入国管理への住所変更届を提出し、対象なら賃貸借申告も行う
第1週:生活基盤の確保と出入国管理手続きの開始
最初の1週間は、連絡がとれる状態にすること、住所の証明を準備すること、そして出入国管理手続きを始めることに集中しましょう。韓国の電話番号とKakaoTalkは、家主・仲介業者・雇用主・管理会社がよく使うので便利です。ただ、これらは実用的なツールであって、賃貸保護の要件ではありません。
90日を超えて滞在する場合は、入国から90日以内に外国人登録の申請が必要です。HiKoreaの外国人登録案内によると、申請後カードが発行されるまで通常2〜3週間かかります。
予約前に、ビザの種類ごとに必要な書類を確認し、滞在場所の住所証明を手元に置いておきましょう。一時的な住まいでも、窓口が求める住所証明を出せれば出入国手続きには使えます。ただ、一時的な部屋があるからといって、長期賃貸を急ぐ必要はありません。
銀行口座と保証金について
「パスポートだけで口座が開ける」という話を前提に住まいの計画を立てるのは危険です。口座の開設条件や振込限度額は銀行ごと・支店ごとに異なり、本人確認の方法にも左右されます。外国人登録証が発行される前に限定的な口座しか開けない支店であれば、賃貸保証金の振込に実際に使えるかどうかを事前に確認しておきましょう。
保証金の安全性という点で重要なのは、振込の記録が明確であることです。契約書に記載された家主名義の口座に振り込み、その記録を必ず保管してください。
第2〜4週:本格的な物件探しに入る前の準備
外国人登録証の発行を待つ間に、契約前に必要な確認事項を準備しておきましょう。この時期は、エリアの下調べ、建物のタイプの比較、仲介業者へのサンプル書類の依頼に使う期間です。物件情報や内見だけを根拠に保証金を振り込む時期ではありません。
候補物件を絞り込む前に、以下の確認を準備してください。
- 登記簿謄本(등기부등본): 所有者、抵当権、差押え、その他の登記された権利を確認します。
- 建築物台帳(건축물대장): 法定用途と建物の詳細を確認します。
- 家主の本人確認: 契約の当事者が所有者または正式な代理人と一致しているか確認します。
- 先順位権利: 先に設定された抵当権や先行入居者の保証金が、自分の権利より優先される場合があります。
- 送金先口座: 保証金は契約書に定められた家主名義の口座に振り込みます。無関係の口座への振込は避けてください。
より詳しい確認事項は賃貸書類チェックリストを参考にしてください。
第4〜6週:内見と契約前の最終確認
身分証明書と送金手段の準備が整ったら、希望エリアで物件を内見しましょう。暖房・換気・水圧・設備の状態・電波状況・管理費の内訳・通勤時間といった日常的な点も大切ですが、これらは法的なデューデリジェンスの代わりにはなりません。
契約を決める前に、公式書類と照らし合わせられる情報を仲介業者から入手しましょう。チョンセ(전세)の場合は特に、先順位権利を重要な安全確認として扱ってください。賃貸開始前から設定されている抵当権などの登記済み権利は、競売や強制執行の場面で自分の保証金より優先されることがあります。
契約と保証金の振り込み
契約当日は、特に驚くことがない状態が理想です。氏名・物件住所・家賃・保証金・管理費・契約期間・特約条項・家主の本人確認・送金先口座は、事前に確認済みの内容と一致しているはずです。
署名前に確認すること。
- パスポートと在留カードの氏名・情報を、契約書の氏名欄に一貫して使います。
- 家主または正式な代理人が、物件の登記情報および書類と一致しているか確認します。
- 振り込む前に、契約書の金額をすべて確認します。
- 仲介業者が入る場合は、法定上限内での仲介手数料を書面で確認します。
- 契約書、登記謄本のコピー、建築物台帳のコピー、振込明細、写真、業者とのやりとりの記録はまとめて保管します。
MyHomeの公式仲介手数料一覧によると、仲介手数料は法定上限の範囲内で決まります。月額賃料のある契約(ウォルセ、월세)では、保証金に月額賃料の100倍を加えた額が取引金額の基準になります。外国人登録証の発行手数料は、2025年1月1日から3万5,000ウォンに引き上げられています。
契約書に記載のない口座に保証金を振り込まないでください。 送金先は、契約書類に明記された家主名義の口座と一致している必要があります。
入居後:住所変更届と賃貸借申告
外国人登録済みの方にとって重要な出入国管理手続きは、滞在地変更申告(체류지 변경신고)です。出入国管理法第36条によると、外国人登録済みの方は引っ越し後15日以内に新しい居所を届け出る必要があります。KISのガイダンスでは、F-4の国内居所申告者には別途14日の国内居所変更ルールがある旨が注記されていますので、F-4の方は登録外国人の期限ではなく、国内居所の手続きを確認してください。
この申告は、住まいの保護という観点からも重要です。出入国管理法第88条の2により、外国人登録と滞在地変更申告は、住民登録と転入届(전입신고)の代わりとなります。賃貸借保護において、優先権は必要な占有・住所記録と確定日付が整った状態で生じます。
確定日付と賃貸借申告
確定日付(확정일자)は、必要な占有・住所記録と組み合わせることで、保証金の優先弁済順位を確立するのに役立ちます。Easy Lawによると、物件の引き渡し・転入申告・確定日付がそろって初めて、翌日の0時から優先権が発生するとされています。
対象の賃貸契約には、賃貸借申告(전월세신고)も必要です。Easy Lawによると、対象地域の居住用賃貸契約は契約締結から30日以内に申告しなければなりません。対象地域と基準は次の通りです。ソウル、京畿道、インチョン(仁川)、各広域市、世宗(세종)、済州市、道内の市地域で、保証金が6,000万ウォン(約630万円)超または月額賃料が30万ウォン(約3万1,500円)超の場合です。賃貸借申告を行うことで確定日付も付与されます。
これらの手続きは、契約後・入居後できるだけ早く済ませましょう。遅れると保証金の権利が弱まったり、出入国管理上の問題が生じたりすることがあります。
タイムライン一覧
このタイムラインは手続きの順番を示すものです。すべての賃貸が1か月以内に決まる保証ではありません。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 到着直後 | 連絡手段、一時住所、書類フォルダの準備 |
| 入国から90日以内 | 90日を超えて滞在する場合は外国人登録を申請する |
| 申請から約2〜3週間後 | 申請が完了し通常通り処理されれば外国人登録証が発行される |
| 本格的な物件探しに入る前 | 登記簿謄本、建築物台帳、家主確認、先順位権利、送金先口座の確認方法を学ぶ |
| 保証金の振り込み前 | 契約書と書類を照らし合わせ、送金先口座を確認する |
| 引っ越し後 | 該当する期限内に滞在地変更申告(체류지 변경신고)を提出する |
| 契約締結から30日以内(対象の場合) | 賃貸借申告(전월세신고)を行う |
役立つ連絡先
- HiKorea: www.hikorea.go.kr。外国人登録やオンライン出入国手続きのポータルです。
- 韓国出入国管理局: www.immigration.go.kr。出入国に関するお知らせ、事務所情報、在留ガイダンスが確認できます。
- 出入国管理インフォメーションセンター: 1345(多言語対応)。
- インターネット登記所: www.iros.go.kr。登記簿謄本の取得と確定日付サービス。
- 国土交通部不動産取引管理システム: rtms.molit.go.kr。賃貸借申告。
情報源
2026年6月6日参照。
- 出入国管理法第31条(外国人登録、90日ルール):law.go.kr
- HiKorea外国人登録案内(発行まで2〜3週間):hikorea.go.kr
- 出入国管理法第36条(外国人登録者の滞在地変更申告):law.go.kr
- 出入国管理法第88条の2(外国人登録・滞在地変更申告が住民登録・転入届の代わりとなる):law.go.kr
- KISカスタマイズ滞在ガイド(15日住所変更ルール、F-4 14日注記):immigration.go.kr
- 賃貸借の優先権と確定日付:easylaw.go.kr
- 住宅賃貸借申告制度(전월세신고제):easylaw.go.kr
- 国土交通部チョンセ契約注意事項リーフレット:molit.go.kr
- 仲介手数料一覧:myhome.go.kr
- 外国人登録証手数料引き上げのお知らせ:immigration.go.kr