韓国の信用スコアについては、実態よりも具体的に聞こえるアドバイスが飛び交いがちです。「A銀行は6か月で通る」「B銀行は12か月待ちが必要」「このスコアなら大丈夫」「このカードが通りやすい」という話は耳にしますが、それらは特定の支店での実体験を反映している可能性はあっても、公式ルールではありません。
実は、公式の制度はもっとシンプルです。韓国は1〜1,000点の個人信用スコア制度を採用しており、NICEやKCBといった信用評価会社(개인신용평가회사)がスコアを算出し、各金融機関がそのスコアを参考に独自の審査基準を適用します。外国人にとってのゴールは、「ある特定の数字を目指すこと」ではなく、「韓国の金融機関が読み取れるクリーンな金融履歴を積み上げること」なんです。
公式のスコア制度
FSCによると、韓国は2021年1月1日から旧来の信用等級(신용등급)制度を廃止し、信用スコア(신용점수)制度に完全移行しました。旧制度は1〜10段階の等級制でしたが、新制度は1〜1,000点のスコア制です。
FSCによれば、個人信用評価会社はもはや個人信用等級を算出せず、消費者と金融機関に個人信用スコアを提供しています。FSCの移行資料では、信用スコア画面の例としてNICEとKCBの名前が挙げられています。
ちなみに、「何等級」と聞かれたら、現在のスコア換算値を聞き返すのがいいでしょう。公式制度はすでに等級から離れているんです。
なぜ「審査通過ラインのスコア」が一つではないのか
FSCによると、信用評価会社がスコアを提供し、金融機関はそのスコアをベースに独自のリスク戦略を適用します。同じ人が申請しても、銀行によって結果が違うのはそのためです。
FSCの移行対照表では、クレジットカード発行に関する旧制度の基準を一つだけスコアに換算しています。旧制度では6等級以上が基準でしたが、これがNICEスコア680以上またはKCBスコア576以上に対応するとされています。注釈には、個人信用スコアの上位93%、または長期延滞確率0.65%以下に相当するとあります。
ただ、これを「審査通過の保証ライン」と読むのは禁物です。カード発行には、収入・雇用形態・ビザや在留資格・既存の負債・取引銀行との関係・内部リスクルール・提出書類なども審査対象になります。
外国人がまず整えるべきこと
今回の確認パスでは、外国人専用の「初期スコア」や「保証された審査通過期間」を公表している公式資料は見つかりませんでした。実際の近道は、ふつうの韓国の金融履歴を積み上げることです。
- 実名で韓国の銀行口座を開設する。
- 外国人登録証(외국인등록증)、住所、電話番号の情報を、銀行・通信キャリア・勤務先・税務の各システムで一致させて管理する。
- 可能であれば、給与や定期収入を一つのメイン口座に集める。
- 銀行・カード・通信・保険・税金の支払いを期日どおりに行う。
- 雇用・収入・在留・源泉徴収を証明する書類を手元に保管しておく。
- 信用商品への申請は一度に一件ずつ。まずは給与振込や普段の取引実績がある銀行から始めましょう。
これは「〇か月後に必ず審査に通る」という保証ではありません。でも、韓国の審査担当者に自分のプロフィールを正しく伝えるための、もっとも着実な方法です。
信用情報の確認と異議申し立て
FSCによると、消費者は信用評価会社のスコア、累積ランキング、個別の信用管理アドバイスを利用できます。また、信用情報の利用及び保護に関する法律は、情報主体に対して個人信用情報の利用・提供に関する照会権を認めており、一部の拒否ケースでは拒否理由の説明を求める権利も保障されています。
韓国でのカードやローンの申請が却下された場合、次のことを確認しましょう。
- どの信用評価会社または信用情報源が使われたか。
- 個人信用評価会社から提供された個人信用情報に基づいた判断だったかどうか。
- 信用情報の利用及び保護に関する法律に基づいて、拒否・停止の根拠を開示するよう求める方法。
- 収入・雇用・在留資格・本人確認の書類が不足していた場合、再提出できるかどうか。
審査に落ちる原因は、低スコアだけではありません。書類の不備や内部方針によるケースもあるんです。
過信を避けたいもの
次のような情報は、公式ルールとして扱わないようにしましょう。
- 「外国人は必ず特定のスコアからスタートする」
- 「700点があればカード審査は通過する」
- 「特定の銀行は外国人に一番通りやすい」
- 「デビットカードはクレジットカードと全く同じように信用履歴を積める」
- 「外国の信用スコアは韓国に引き継がれる」
- 「銀行は6か月、12か月、または18か月後には必ず審査に通す」
状況によっては方向性として参考になる情報もありますが、今回の確認パスではどれも公式水準の根拠は確認できませんでした。
最初の1年を乗り越えるための現実的なプラン
法的なルールではなく、現実的な順序として参考にしてください。
- 銀行口座を開設し、各機関の本人情報が一致しているか確認する。
- 給与や定期収入を一つのメイン口座に集める。
- 定期的な支払いを期日どおりに行い、支払い記録を残しておく。
- 短期間に信用申請を繰り返さない。
- クレジットカードを申請する前に、メインバンクにどの書類が必要か確認しておく。
- 却下された場合、原因が信用情報なのか、収入確認なのか、在留資格なのか、書類の不備なのか、内部方針なのかを確認する。
銀行口座の開設については韓国の銀行口座開設ガイドをご参照ください。収入確認に役立つ税務書類については、韓国の所得税ガイドと年末調整ガイドで詳しく説明しています。