まず確認すべきはAPQAの公式ページ
韓国でペットの輸入検疫を管轄しているのは、農林畜産検疫本部(농림축산검역본부)、通称APQAです。
ペット輸送業者への依頼や、キャリーケースの購入、航空券の予約より先に、APQAの犬・猫輸入ページを開いてみましょう。航空会社のページ、ペット輸送会社、大使館のチェックリスト、古いブログ記事はあくまで参考資料です。ペットを引き渡してもらえるか、検疫になるか、返送になるかを最終的に判断するのはAPQAなんです。
このガイドは意図的に範囲を絞っています。APQAをはじめとする韓国の公式ソースで確認できる、韓国側の輸入・輸出ルールに絞った内容です。輸出国が独自の証明書フォーム、認証手続き、検査機関の指定、手続きのタイミングを定めている場合もありますので、その国の動物衛生当局での確認も別途必要です。
犬・猫に共通して必要なもの
韓国に入国する犬や猫には、すべて輸出国が発行する政府公式の健康証明書が必要です。
この証明書には、動物の個体情報と、APQAが到着時に確認する輸入検疫に関する事項を記載しなければなりません。生後90日未満の犬・猫、または狂犬病清浄国・地域からくる犬・猫については、APQAはマイクロチップ番号と生年月日を証明書に記載するよう定めています。
狂犬病非清浄の国や地域からくる生後90日以上の犬・猫については、狂犬病中和抗体価の検査結果も証明書に記載する必要があります。
マイクロチップ
韓国に入国する犬や猫には、すべてマイクロチップの装着が必要です。
APQAは、装着済みチップがISO 11784およびISO 11785に準拠していることを義務付けています。別の規格のチップを使っている場合は、読み取れるリーダーを持参してください。チップが読み取れない場合、APQAは新しいチップの装着を求め、個体識別ができるまで検疫を延長することがあります。
狂犬病抗体価検査
狂犬病中和抗体価検査が必要なのは、韓国が狂犬病清浄地域と認定していない国や地域からくる、生後90日以上の犬や猫です。
APQAの基準値は0.5 IU/ml以上です。検査は国際的に承認された検査機関、または輸出国の権限ある当局が実施したものである必要があります。APQAは採血日から24か月以内の結果が有効だと定めています。
狂犬病清浄国・地域
APQAは狂犬病清浄国・地域の公式ページを管理しています。狂犬病の発生状況によってリストが変わること、また韓国がWOAHの狂犬病清浄認定基準を採用していることが明記されています。
渡航日の直前に、このAPQAのページを確認してください。ペット輸送業者のチェックリストや古い大使館PDFを頼りにしないようにしましょう。
韓国到着時の流れ
ペットが韓国に到着すると、APQAの検疫官が書類を確認し、臨床検査を行います。
書類が確認され、臨床検査に問題がなければ、APQAは犬や猫を到着当日に引き渡せると定めています。
必要な書類、マイクロチップ、抗体価検査の結果のいずれかに不備や不適合があった場合、検疫が延長されることがあります。APQAによると、延長検疫の平均期間は10日間ですが、事情によっては長くなることもあります。輸送費、管理費、検査費、マイクロチップ関連の費用、証明書の発行手数料など、すべて飼い主が負担します。
政府の健康証明書が提出されていない場合、APQAは入国を認めず、輸出国への返送となり、その費用も飼い主の負担です。
多頭で連れてくる場合
犬や猫を10頭以上連れてくる方は、事前にAPQAへ届け出フォームを提出し、動物検疫施設の使用について事前承認を受ける必要があります。
複数の動物を連れてくる予定なら、航空券を予約する前にAPQAに連絡しておきましょう。ペットが自分のものであっても、個人での引越しと同じ手続きが適用されるとは限りません。
特定の動物に関するルール
オーストラリア産の猫
オーストラリアから輸入する猫には、ヘンドラウイルスに関する追加書類が必要です。
APQAは、証明書に清浄地域からの出生もしくは出荷前14日以内の陰性検査結果のいずれかを記載し、出発前60日間は清浄地域で管理されていた旨を示すよう定めています。この証明書がない場合、検疫は21日間延長されます。
マレーシアからの犬・猫
マレーシアから輸入する犬や猫には、ヘンドラウイルスおよびニパウイルスに関する追加書類が必要です。
APQAの要件は同じです。清浄地域ステータス、または出荷前14日以内の陰性検査結果を示し、出発前60日間は感染が報告されていない地域で管理されていた旨の証明が必要です。この証明書がない場合、検疫は21日間延長されます。
爬虫類
爬虫類は犬・猫のような手続きでは対応できません。
環境省は、爬虫類の検疫が2024年5月19日に始まったと発表しています。トカゲ、カメ、ヘビなど輸入爬虫類の検疫は、国立野生動物疾病管理院が担当しています。環境省の通知によると、輸入者は野生動物疾病検疫システムを通じて検疫の届け出をする必要があります。
爬虫類を連れてくる予定なら、動物の輸送前に環境省または国立野生動物疾病管理院に問い合わせてください。
韓国を出国するとき
犬や猫を連れて韓国を出国するときは、渡航先の国のルールが準備内容を決める大前提です。まずその国の動物検疫当局を確認しましょう。
韓国側の手続きとして、APQAは空港や港のAPQAオフィスを訪問して輸出検疫を申請するよう定めています。ペット、ワクチン接種証明書、渡航先に必要な健康証明書を持参します。APQAの担当官が書類を確認し、臨床検査を行ったうえで獣医証明書を発行します。手数料は1件あたり1万ウォン(約1,050円)です。
APQAは輸出検疫ページに空港・港のオフィス連絡先を掲載しています。毎日営業しているオフィスもありますが、多くの地方オフィスは月曜から金曜の9:00〜18:00(12:00〜13:00は昼休み、祝日は休み)の営業です。受付締め切り時間はオフィスによって異なりますので、渡航日の前にオフィスと予約ルールを確認しておきましょう。
英語でワクチン接種や健康証明書の準備をしてくれるクリニックが必要な場合は、Seoulstartの動物病院ディレクトリでエリアごとに英語対応の獣医・動物病院を探せます。
まとめ:確認事項の早見表
生後90日未満の犬・猫、またはAPQA狂犬病清浄国・地域からくる場合:
- 輸出国が発行する政府公式の健康証明書
- 証明書にマイクロチップ番号と生年月日の記載
- 到着時のAPQAによる臨床検査
生後90日以上で、APQAの狂犬病清浄リストに載っていない国・地域からくる場合:
- 輸出国が発行する政府公式の健康証明書
- マイクロチップ
- 狂犬病中和抗体価0.5 IU/ml以上の検査結果
- 証明書への抗体価検査結果の記載
- 到着時のAPQAによる臨床検査
渡航の予約を入れる前に、APQAの最新ページと輸出国の動物衛生当局の情報を確認しておきましょう。韓国への入国ルールは韓国が、輸出証明書や認証手続きは出発国がそれぞれ決めています。